この記事でわかること
塗料販売店で30年以上働いてきたベテラン「Oさん」への取材から、塗料選びの本音をお伝えします。
- 「高い塗料=良い塗料」ではない理由
- 塗料の性能は、実は販売店もわからない
- 塗料選びで本当に大切なこと
診断アドバイザーとして、セカンドオピニオンの立場から、この貴重な証言を皆様にお届けします。
塗料販売店の視点から見た「塗料の真実」
私たち診断アドバイザーは、見積もりの「セカンドオピニオン」として、業者と施主様の間に立つ第三者の立場にあります。
その立場から見ると、塗料選びについて多くの方が誤解されていることがあります。
今回、塗料販売店で30年以上働いてこられたOさんに取材しました。Oさんは、大手塗料メーカーから仕入れた塗料を、施工業者に販売する「塗料販売店」で働いてきた方です。
「高い塗料が良いとは限らない」理由
「正直に言うと、私たちも塗料の本当の性能はわからないんです。」
これはOさんの衝撃的な言葉です。
塗料の耐久性は10年、15年といったスパンで評価されます。しかし、新しい塗料が発売されてすぐに、その塗料の「10年後」はわかりません。
つまり、「この塗料は20年持ちます」という言葉は、実績ではなくメーカーの「予測」に過ぎないのです。
塗料の性能は「実績」でしか証明されない
「20年持つ塗料かどうかは、20年経たないとわからない。それが塗料業界の現実です。」
Oさんはこう続けます。
新しい高機能塗料は魅力的な性能を謳っています。しかし、その性能が本当かどうかは、実際に塗装されて10年、15年経過しないとわかりません。
- 発売5年未満の塗料は「実績なし」と同じ
- カタログの数値は実験室でのデータ
- 実際の家は紫外線、雨風、温度差など過酷な環境
診断アドバイザーとしてのアドバイス
私たち診断アドバイザーは、業者の肩を持つわけでも、施主様の言いなりになるわけでもありません。
あくまで「事実」に基づいて、見積もりを評価します。
塗料選びについては、以下の点を重視することをお勧めします。
1. 発売から10年以上経過した塗料を選ぶ
実績のある塗料は、実際の施工現場で性能が証明されています。
「最新」より「実績」を重視してください。
2. 業者の施工実績を確認する
塗料よりも重要なのは、その塗料を扱う業者の技術力です。
同じ塗料でも、施工技術によって耐久性は大きく変わります。
3. メーカーの「耐久年数」を鵜呑みにしない
カタログに記載されている耐久年数は、理想的な条件での数値です。
実際の環境では、記載されている年数より短くなることが一般的です。
Oさんが見てきた「成功する塗装」の共通点
「長持ちする塗装をする業者は、塗料選びより下地処理に時間をかけています。」
30年間、様々な業者に塗料を販売してきたOさんが見てきた「成功する塗装」には共通点があります。
- 高圧洗浄を丁寧に行う
- 下地処理(ケレン)を省略しない
- 乾燥時間を十分に取る
- 3回塗りを確実に行う
逆に言えば、どんなに高価な塗料を使っても、下地処理がおろそかだと数年で剥がれます。
塗料の種類と特徴
参考として、主な塗料の種類と特徴をまとめます。
アクリル塗料
耐用年数目安:5〜7年
コストパフォーマンスは良いが、耐久性は低め。頻繁な塗り替えが必要。
ウレタン塗料
耐用年数目安:8〜10年
バランスの取れた性能。ただし、現在は他の塗料に置き換わりつつある。
シリコン塗料
耐用年数目安:10〜13年
現在の主流。実績も十分で、コストと性能のバランスが良い。
フッ素塗料
耐用年数目安:15〜20年
高耐久だが高価格。長期間住む予定なら検討の価値あり。
まとめ:塗料選びで本当に大切なこと
塗料販売店30年のベテランOさんの話から、私たち診断アドバイザーがお伝えしたいことをまとめます。
- 最新の塗料より、実績のある塗料を選ぶ
- 塗料の種類より、施工業者の技術力が重要
- 「20年持つ」は予測であり、実績ではない
- 下地処理をしっかり行う業者を選ぶ
見積もりを比較する際は、塗料の名前や価格だけでなく、「どのような施工をするのか」を確認してください。
私たち診断アドバイザーは、そのお手伝いをいたします。
関連記事
塗料選びと合わせて確認したい記事をご紹介します。
見積書、このままで大丈夫?
50年の現場経験を持つ診断アドバイザーが、あなたの見積書をチェックします。 適正価格か、工程に問題はないか、第三者の目で確認してみませんか?
無料で相談する※ 営業目的の連絡は一切いたしません