この記事でわかること
見積書に「2液型塗料」と書かれていたら、必ず確認すべきポイントがあります。
2液型塗料は1液型より高性能ですが、施工方法を間違えると、その性能は発揮されません。
1液型と2液型の違い
1液型塗料
- 缶を開けてそのまま使える
- 施工が簡単
- 価格が比較的安い
2液型塗料
- 「主剤」と「硬化剤」を混ぜて使う
- 正確な計量が必要
- 耐久性が高い
- 価格は高め
2液型塗料の落とし穴
2液型塗料には、メーカーが指定した「混合比」があります。
例:主剤10に対して硬化剤1
この比率を正確に守らないと、塗膜が正しく硬化しません。
よくある問題
- 目分量で混ぜている
- 硬化剤を少なく入れて塗料を節約
- 混合後の使用時間(ポットライフ)を超えて使用
これらは見た目では判断できませんが、数年後に塗膜の剥がれや劣化として現れます。
見積書チェックポイント
2液型塗料が指定されている場合
見積書に以下のような記載があるか確認:
- 塗料名(メーカー名 + 製品名)
- 「2液型」または「2液弱溶剤」などの記載
要注意パターン
- 2液型の高級塗料なのに、価格が相場より安い
- 「塗料一式」としか書かれていない
業者に聞くべき「魔法の質問」
「2液型塗料を使う場合、現場で秤(はかり)を使って計量しますか?」
この質問で、業者の品質意識がわかります。
信頼できる回答例
- 「電子秤で正確に計量しています」
- 「主剤と硬化剤の比率は○:○で、毎回計量しています」
- 「計量の様子も写真で報告します」
要注意な回答例
- 「長年の経験で目分量でわかります」
- 「そこまでやる必要はないですよ」
- 質問の意味がわからない様子
なぜ秤が重要なのか
2液型塗料の混合比は、メーカーが厳密なテストを経て決めています。
例えば「主剤10:硬化剤1」の塗料で、硬化剤を0.8しか入れなかったらどうなるか?
塗膜の硬化が不十分になり、本来の耐久性を発揮できません。
目分量では、この0.2の誤差を防ぐことができません。
2液型塗料の価格目安
2液型塗料は1液型より手間がかかるため、価格も高くなります。
1液型シリコン:1缶あたり15,000〜25,000円
2液型シリコン:1缶あたり25,000〜35,000円
2液型フッ素:1缶あたり40,000〜60,000円
2液型なのに1液型と同じくらいの見積もり価格の場合、手抜きの可能性を疑いましょう。
まとめ:2液型塗料のチェックリスト
- ☐ 塗料名とメーカーが明記されているか
- ☐ 2液型の場合、相場相応の価格になっているか
- ☐ 「秤で計量するか」を業者に確認したか
- ☐ 計量の写真を報告してもらえるか確認したか
人工(にんく)でも確認しよう
2液型塗料を使う場合、計量・攪拌に時間がかかります。
塗料の計量・攪拌:急ぎの業者は目分量で数分、丁寧な業者は電子秤で10〜15分/回
下塗り:急ぎの業者は半日、丁寧な業者は1日
中塗り:急ぎの業者は半日、丁寧な業者は1日
上塗り:急ぎの業者は半日、丁寧な業者は1日
2液型塗料は混合後の使用可能時間(ポットライフ)が限られています。小分けにして計量する丁寧な業者を選びましょう。
関連記事
塗料選びの基礎知識
見積書、このままで大丈夫?
50年の現場経験を持つ診断アドバイザーが、あなたの見積書をチェックします。 適正価格か、工程に問題はないか、第三者の目で確認してみませんか?
無料で相談する※ 営業目的の連絡は一切いたしません