この記事でわかること
外壁の劣化には、大きく分けて2種類あります。
- 経年劣化 - 時間の経過による自然な劣化
- 施工不良 - 前回の塗装に問題があったことによる劣化
この違いを見分けることで、次の塗装で同じ失敗を繰り返さないための対策ができます。
劣化サイン1:チョーキング(白亜化)
外壁を触ると、手に白い粉がつく現象です。
診断方法
外壁を手でこすってみてください。
- 少し粉がつく → 経年劣化(正常な範囲)
- 大量の粉がつく → 塗料の劣化が進んでいる
経年劣化と施工不良の見分け方
- 塗装後10年以上経過 → 経年劣化の可能性大
- 塗装後5年未満で発生 → 施工不良の可能性あり
施工不良の原因:塗料の希釈しすぎ、乾燥不足、下塗り不足など
劣化サイン2:塗膜の剥がれ・膨れ
塗装がペリペリと剥がれたり、水ぶくれのように膨れている状態です。
経年劣化と施工不良の見分け方
- 一部だけ剥がれ → 下地処理不足(その箇所のみ)
- 広範囲で剥がれ → 塗料選定ミス・下塗り不足
- 塗装後3年以内 → ほぼ確実に施工不良
- 塗装後10年以上 → 経年劣化の可能性あり
施工不良の原因:ケレン不足、下塗り省略、乾燥時間不足など
劣化サイン3:コーキングのひび割れ
外壁の目地に充填されたコーキングの劣化です。
診断方法:ひび割れの位置で原因がわかる
パターンA:コーキングの真ん中が裂ける(凝集破壊)
→ 経年劣化の可能性大
コーキング材自体の寿命による劣化です。
パターンB:コーキングの端が剥がれる(接着破壊)
→ 施工不良の可能性あり
プライマー(接着剤)の塗り忘れ、または3面接着による施工不良が原因です。
劣化サイン4:屋根の塗膜膨れ
屋根の塗装が膨れている状態です。
原因の見分け方
- 下地のサビ → 膨れの下にサビがある
- 水分の閉じ込め → 乾燥不足で塗装した
- 結露 → 屋根裏の換気不足
重要:単に上から塗り直しても、原因を解決しないと再発します。
次回の塗装では、「膨れの原因は何か、どう対処するか」を業者に確認してください。
セルフ診断チェックリスト
自宅の外壁を確認して、該当する項目をチェックしてください。
チョーキング
- ☐ 手で触ると白い粉がつく
- ☐ 塗装後何年経過しているか把握している
塗膜の剥がれ・膨れ
- ☐ 剥がれや膨れがある
- ☐ 一部だけか、広範囲か確認した
- ☐ 塗装後何年で発生したか把握している
コーキング
- ☐ ひび割れがある
- ☐ ひび割れは真ん中か、端か確認した
屋根
- ☐ 塗膜の膨れがある
- ☐ 膨れの下にサビがあるか確認した
診断結果の活用方法
施工不良の疑いがある場合
次回の塗装業者に、今回の診断結果を伝えてください。
「前回の塗装後○年で剥がれが発生しました。原因と対策を教えてください」
優良業者なら、原因を分析して適切な対策を提案してくれます。
経年劣化の場合
通常の塗り替えで問題ありません。ただし、下地処理をしっかり行う業者を選びましょう。
まとめ
外壁の劣化サインから、前回の施工品質がある程度わかります。
- 塗装後5年未満の劣化 → 施工不良の可能性
- 塗装後10年以上の劣化 → 経年劣化の可能性
次回の塗装で同じ失敗を繰り返さないために、この診断結果を業者に伝えましょう。
劣化の原因は「人工不足」かも
外壁の劣化が早い場合、前回の工事で人工が不足していた可能性があります。
塗膜の剥がれは、下地処理不足(人工不足)が原因の可能性があります。
塗膜の膨れは、乾燥時間不足(工期を急いだ)が原因の可能性があります。
コーキングのひび割れは、撤去せず増し打ち(人工削減)が原因の可能性があります。
チョーキングが早いのは、塗料の希釈過多(材料費削減)が原因の可能性があります。
「安い見積もり」で工事した家ほど、劣化が早い傾向があります。
次回の塗り替えでは、人工をしっかり確認しましょう。
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