この記事でわかること
外壁塗装の見積書と一緒に「工程表」を受け取ることがあります。
この工程表で「工期が短すぎないか」を確認することで、手抜き工事を防げます。
外壁塗装の適正工期
30坪程度の一般的な住宅の場合:
- 7日未満:短すぎる(要注意)
- 7〜10日:最低ライン
- 10〜14日:標準的
- 14〜20日:丁寧な施工
「5日で終わります」という業者は、どこかの工程を省略している可能性があります。
なぜ工期が重要なのか
塗装は「塗る」作業よりも「乾かす」時間が重要です。
塗装の基本工程
- 高圧洗浄 → 乾燥に1日
- 下地処理・補修 → 1〜2日
- 下塗り → 乾燥に1日
- 中塗り → 乾燥に1日
- 上塗り → 乾燥に1日
- 点検・手直し → 1日
最低でも7日程度は必要です。
乾燥時間を守らないとどうなるか
中塗りが乾く前に上塗りをすると:
- 塗膜の内部に水分が閉じ込められる
- 数ヶ月〜数年後に塗膜が膨れる・剥がれる
- 本来の耐久年数を発揮できない
見た目は同じでも、数年後に大きな差が出ます。
気象条件による作業制限
プロの職人は、以下の条件では作業を中止します。
作業中止の条件
- 気温5℃以下
- 湿度85%以上
- 雨天・強風時
- 結露が発生している面
これらの条件で塗装すると、乾燥不良や塗膜の白化が起きます。
工程表チェックポイント
確認すべき項目
- 下塗り・中塗り・上塗りがそれぞれ別の日になっているか
- 高圧洗浄の翌日に塗装開始になっていないか
- 雨天時の予備日が設定されているか
要注意パターン
- 「中塗り・上塗り」が同じ日に設定されている
- 全工程が5日以内で設定されている
- 予備日がまったくない
業者に聞くべき「魔法の質問」
「気温5度以下の日は作業を中止しますか?」
「中塗りと上塗りは別の日に行いますか?」
信頼できる回答例
- 「1日1工程を基本にしています」
- 「乾燥時間は塗料メーカーの指定を守っています」
- 「悪天候の場合は工期が延びることをご了承ください」
要注意な回答例
- 「天気が良ければ1日で2工程やります」
- 「少しくらいの雨なら大丈夫です」
- 「経験上、そこまで気にしなくても問題ない」
冬場・梅雨時期の注意点
冬場(12月〜2月)
- 乾燥時間が通常の1.5〜2倍必要
- 朝露・夜露で塗装面が濡れる
- 工期は長めに見積もるのが普通
梅雨時期(6月〜7月)
- 雨天中止が多く、工期が延びやすい
- 湿度が高く、乾燥不良のリスク
- 可能であれば避けるのが無難
この時期に「通常と同じ工期で終わります」という業者は要注意です。
まとめ:工期チェックリスト
- ☐ 30坪で7日以上の工期が設定されているか
- ☐ 下塗り・中塗り・上塗りが別日になっているか
- ☐ 雨天予備日が設定されているか
- ☐ 気温・湿度の作業基準を確認したか
工期=人工の合計
工期は単なる日数ではなく、各工程の人工の合計です。
足場設置:最低ラインも丁寧な施工も1日
高圧洗浄:最低ラインは半日、丁寧な施工は1日
乾燥:最低ラインも丁寧な施工も1日
コーキング:最低ラインは1〜2日、丁寧な施工は3〜5日
下地処理:最低ラインは1日、丁寧な施工は2〜3日
下塗り:最低ラインも丁寧な施工も1日
中塗り+乾燥:最低ラインも丁寧な施工も2日
上塗り+乾燥:最低ラインも丁寧な施工も2日
点検・足場解体:最低ラインは1日、丁寧な施工は1〜2日
合計:最低ラインは10〜12日、丁寧な施工は14〜20日
「7日で終わります」という業者は、どこかの工程を省略しています。
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